日本人は正直に思っていることを話すことが苦手な人が多いようです。本音と建て前があると昔から言われています。ひとたび、この場では話してもいいとなるととたんに、抑えていたものがほとばしるように、際限なく心の内を話しだす人によく会います。
あるアメリカ人のセラピストが日本に1年間滞在しました。滞在中、彼に話を聞いてもらいに来た日本人は1人もいなかったそうです。「日本人は心の中で思っていることをセラピストに話さないのかい?」とセラピストは面食らったそうです。
シュタイナーのバイオグラフィーワークでは、ときに数人でワークショップを行うことがあります。1人で行うのとは違った味わいでとても楽しく有効な経験だと思います。振り返ってみると、数年前に初めてサンフラシスコでワークショップに参加するとき、私は不安を感じていました。そしてファシリテーターにメールで問い合わせしたことを覚えています。「私、英語がネイティブではないのですが、ワークショップについていけるでしょうか?」だけど私の不安は、言語のことだけだったのでしょうか?
非日本人でも、バイオグラフィーワークで自分の人生のことを見つめましょう、と言われて、結果は他人には話さなくてもいい場合でも、「土足で踏み込まれる」ような思いを抱く人がいます。彼らは他人の人生には興味があってよく喋りますが、自分の人生を見つめて話す習慣がないようです。
いままで、非日本人の集団の中で自分1人だけ(あるいは少数)が日本人だったのが、初めて日本人だけの集団でバイオグラフィーワークをするとなると、また違った不安が生まれることに、私は気がつきました。
「安心できない」「その場にいる人たちのことをよく知らない」「人前で本当に思っていることを話すと困ったことになる、だから普段は適切な決められた役を演じてはみ出さないように最大の注意をしている」「あとで人様になにを言われるかわからない」「恥ずかしい」
そんなところでしょうか?
「コントロールできない痛みが出てきたら、誰が責任をとるの?」
そういう人は、自分が何かを抱え込んでいて「見るのはしんどい」と長年やってきたことをうすうす知っているものです。
日本人はわりと心配性です。本音で話していい場が限られていることが多いからでしょうか?間違ってしまったらどうしよう、とキューキューしているようです。だけど生活のなるべく多くの時間を本音で暮らせるといいですね、ほんとに!
本音でいられたら、抑えていたことから解放されて、どう見られるかもう心配しなくてよくて、もっとエネルギーが湧き、健康状態もよくなります。幸せ感アップ間違いなしです。生きるのが楽です。投影や先入観から自由になって物事を明確に客観的に見ることができます。自分に正直になることがまず第一歩です。霊的にも成長し、喜びにあふれた毎日が過ごせ、いい終末を迎えることができますよ。
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